vol.49-69 支援者が障害を作っている?!

まとめ
このvol.49もあと2回で終わりになります
そこでこれまでの内容をまとめさせていただきたいと思っています
これまでのお話をまとめますと
私たち支援者は、困っている人や弱っている人をより良くするために
専門的な知識と技術を学び、支援という関わりを続けてきました
しかし、支援者が考えている良い支援(正しい支援)と
当事者が求めている支援には大きなギャップがあることに気付かされました
目の前の人を良くしようとすればするほど、悪化していく
精神障害者の数は減るどころか増え続けているこの不思議
もしかすると障害者を作っているのは、私たち支援者なのではないか
そんな疑問からスタートしました
支援者が正しいと思っている支援の裏にあるもの
それは
「この人を助けたい」の裏には
弱者として見下す自分(支援者)がいる
「この人の役に立ちたい」の裏には
自分の自尊心を満たす手段として目の前に人を利用しようとする自分がいる
「この人を良くしたい」の裏には
ありのままのその人を否定する自分がいる
支援者の考える「あなたの為」という正しい支援で伝わっていたことは
あなたは弱くてダメな障害者
ということだったのです
こんな自分はダメだ、だからもっと良くならなきゃ、変わらなきゃ、
と、自分で自分を否定し、もがき苦しんでいる人に
正義の衣を着た支援者が、
「あなたの為」という支援を通して、ありのままのその人を否定している
そうやってより“自己否定”を強めさせていた
そんな事実を精神障害当事者の方々に教えていただくことができました
障害を作っているのは私たち支援者なのではないか!
そんな苦しい事実を受け入れざるを得ませんでした
そして、
支援しようとすることやめてみました
自分を守ろうとする鎧を脱ぎ捨て
相手を変えようとする武器を置き
支援者としてではなく、この私でお付き合いする
そして、目の前の人の声に耳を傾けありのままを認めるようにしてみました
すると、その方(訪問看護利用者)がどんどん変化し、自らの人生を自らの力で再構築し始めたのです
その事実から支援者が障害を作っていたことが確信に変わりました
それでは私たちはどんな支援をすればいいのか
何ができるのか
イロハニトイロが辿り着いた支援は
「支援しない支援」でした
もっと具体的に表現すると
「支援しようとしない支援」
です
それは「愛」に基づいた支援です
多くの人が「愛すること」を誤解しています
「愛すること」は技術なのです
私たちイロハニトイロの職員が目指す支援とは、
「“あなたのお陰で自立できました”と言わせない支援」
です
訪問看護利用者さんが自らの力で自分の人生を再構築していったように
「自分で変えることができる」と思えることが大切だと思っています
そんな自分の力を信じられる(自分軸で生きる)からこれからの人生も自分で何とかできるはずです
※ここで誤解して欲しくないのは「何でも自分でする」ということでは決してありません。
他者に頼ること(他力を大切にする)です。その他者に助けを求めることも自分で選んだんだと思えることが大切なんだと考えています。
あまりまとまっていないかもしれません💦
次回を最後にしてこのシリーズを終えたいと思います
ぜひ最後までお付き合いください
イロハニトイロ所長
金村栄治
